とある年越しの風景「退屈だー」 みかんの皮を丸めてゴミ箱に放り投げる。ないっしゅー。 そしてこたつのなかで足を広げて大の字に寝転がる。 12月31日。時計が指す時刻は11時を過ぎている。 もうすぐ年明け。すっかり暗くなっている外からも、期待とか不安とか、そんなものがない交ぜになった空気が窓越しに漂ってくる。 「はぁ…」 私はなんとなくため息をついて、蛍光灯を見つめた。 毎年、年末年始は家族と団欒して過ごす。今年もそうなるのだろう、と思っていた。 でもいまさらになって、家族以外のだれかと過ごすのもよかったかもしれない、なんて考えてしまう。 (―――いや) 違う。家族以外のだれか、じゃない。 ほんとうは、私が一緒にいたい相手は決まっている。 私は片手で蛍光灯の白い光をさえぎって、目を閉じた。 だれかの面影が、まぶたの裏に浮かび上がる。 見慣れた顔のそれは、 高町なのは フェイト・T・ハラウオン 八神はやて |