いやほらもうほんとどうしていいのかわからないくらいみなさんかがやいていらっしゃってオーラがちがうって言うんですかなんかくらくらしちゃうんです見ているとだから距離を取っておきたいんですが職業の割りに気さくでいい方ばかりなのでそうもいかなくてでもあんまり近づくとオーラに当てられてまいっちゃうのでがんばって近づかないようにしているんですよだからほんとに心底頼みます、 「あんまり近づかないで、く、だ、さ、い…!」 「ふふっ、なるほどね。昴は納得した。まあそんな理由じゃないかとは思っていたけれど」 「わかってるならなんで迫ってくるんですか、昴さん!」 「それはもちろん、」 楽しいからに決まっているだろう? 鬼! 鬼がここにいる…! せいいっぱい顔を背けてなるべく視界に入れないように努力はしてみるものの、昴さんのオーラは人一倍すごいので、気配ですら私を圧倒する。 もうほんと勘弁してください。 泣きそうになりながらなんでこんなことになったのか考えてみた。 たしか私はいつもどおりに清掃の仕事を終えて、帰宅の準備をしていたところだった。 そこに突然昴さんが背後に…そう、背後にいたのだ。いつのまにか。このひとオーラがすごい割りにそれを隠すのもうまいのでときどき不覚を取られる。 そんなこんなでびっくりした私はとにかく失礼のないように丁寧に応対してさっさとトンズラこく…じゃなかった、帰ろうと思ったのに、このひとときたら…このひとときたら!! 「昴は問う。、きみはなぜいつも僕と目を合わせないんだい?」 あなた限定じゃありませんよ。そう言いたいのをこらえて笑顔でごまかそうと思ったけれど、相手はあの九条昴。ごまかせるはずもなく、いまこんな状況になっている。 壁際に追いつめられ、両腕で逃げ道をふさがれ、きれいな顔を近づけられて。 その眼力に気圧されて、私はとうとう自白してしまった。 だって無理でしょう、このひとにここまでされて逃げるなんて…ッ。 「あのそのもう答えたし離れてくれませんかっていうか帰りたいんですけど」 「そうだね…理由もわかったから、僕はもういいんだけれど、きっと彼女たちはだめだと言うんだろうね」 「へっ?」 彼女たち? 聞き返そうとした矢先、扉が思い切り開け放たれた。 そこにいたのは。 「なるほどね、そういうわけかい」 「サ、サ、サジータさん!?」 「ボクたちもいるよ!」 続いてジェミニ、リカ、ダイアナさん、最後に大河くんが入ってきた。 え、ちょ、まってねえこれって…! 昴さんを見ると、そのとおり、といわんばかりに微笑つきで首肯された。 ちょっと…! 「あのね、、前はボクといっしょに掃除したりお話してたでしょ。それなのに最近はそれもなくって、ボク、なにか嫌われることしちゃったんじゃないかなって。それを昴さんたちに相談したんだ、そしたら」 「あたしたちも前々から気になっていたからね。あんたがあたしたちを避ける理由」 「だから、みんなで相談したんです。そしたら昴さんが訊いてくれるって言って…」 ジェミニ、サジータさん、大河くんがつぎつぎに明かしてくれる事実に、私はめまいをおぼえた。 いやいやいや。なんでそんなに私なんかに構うんですか。べつに放っておいてくれていいのに。(むしろそうしてくれたほうが、助かる) 「ご、ごめんね、ジェミニ…。ジェミニが嫌いになったわけではけしてないんだけど、ほら、なんていうか、ジェミニ最近ものすごくオーラが磨かれちゃって、近寄れなくなったというか…」 「えっ、そうなの! うれしいけどうれしくないなぁ。とおしゃべりできなくなっちゃうなんて…」 「うっ…。ほ、ほんとにごめんね?」 「リカもー! リカもといっぱいあそびたい!」 しゅんと肩を落としたジェミニの隣で、リカが騒ぐ。 ダイアナさんが「そうですね」とうなずいて私を見つめる。すごく、真剣な目で。 「私もリカとおなじです。さんとお友だちになりたいんです」 「とっもだっちとっもだっち、ともだちはたのしいぞー!」 おなかいっぱいたべられるしな! …いやそれ友だちって言うよりたかってるだけでは。 「とにかく」 ぱちん、と昴さんの扇子が鳴って、場が静まる。 このひとほんと場を掴むのがうまい。 「そういうわけだ、。あきらめて彼女たちに付き合ってやれ」 「え…え? ちょっ、そういうわけって昴さんなにを…ッ」 「だめですよ、昴さん!」 「そうそうそんな勝手な、」 「昴さんも一緒じゃなきゃ!」 「うおぉい! 大河くんなによけいなことを…!」 「そうですよ昴さん! ボク昴さんとも一緒にいたい!」 「ジェミニまで!?」 「ふむ…」 扇子をあごに当ててなにかを思案する昴さん。いや考えなくていいから、私のことは放っておいても。 「昴は言った。こういうことに付き合うのも悪くはない、と」 「(な ん で す と!?)」 ありがとうございます昴さん、わーい昴さんだいすきー、って盛り上がるのはいいけどさあんたら。 私の意思はさっぱり無視か! 「よし。じゃあまずはをあたしたちに慣れさせることからだな」 「作戦は何通りか考えついた。あとは実行するだけだ」 「さすがです昴さん! ぼくがんばります!」 「うん、一緒にがんばろうね、新次郎!」 「よくわかんないけどリカもがんばる! とりあえず撃っとくか?」 「う、撃ってはだめですよ、リカ。…あの、私もできるかぎりのことをします」 ………。星組も、ずいぶんまとまるようになったなぁ。 気力充分、いつでも必殺技が出せそうないきおいの彼女たちに、私はただただ、めまいを感じた。 ああ、
きらきらのお星様に耐えられない
(へるぷみー!) |